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2024年2月 7日 (水)

「パワハラ」による本県教職員の自死について 事務局長談話

 過日、『河北新報』紙上で2020年に本県の女性教職員が同僚教員の「パワハラ」による被害を受けておられたということ。またその結果自ら命を絶たれたという痛ましい出来事が発生していたことが報道されました。これからの宮城県の教育を担うべき若い教職員が未来を断たれたということに深い怒りを覚えるとともに、亡くなられた被害者の魂が安かれと祈るのみです。

 さて、この件について私たち宮城高校教育ネットワークユニオンとして見解を述べさせて頂きます。

第1に、辛いこと・苦しいこと・理不尽なことについては決して自分の心の内にしまい込んだり自分だけで解決しようとはしないでください。ぜひ私たちに相談してください。労働組合はそのためにあります。

第2に、すべての教職員が「同僚性」を意識すべきだということです。「パワハラ」と書いたのは一般には職場の上司-部下の関係性の中で、すなわち特別権力関係の中で立場の優位性を背景とした精神的肉体的な苦痛を与えることだと理解しています。管理職による不当な暴言などがこれに当たると言えるでしょう。しかし今回のような教諭同士という身分的には同質な関係性の中で、たとえ「主任」とか「部長」といったような肩書きが付いていたとしても基本的には何かを命じたり服従を要求する立場にはないということです。「主任」は単に連絡や調整を行う役目に過ぎません。
 学年や分掌に所属する教職員は「部長」・「主任」から命令を受ける立場にはありません。逆に「部長」・「主任」は所属の教職員に職務に関する命令を出す立場にはないのです。すべて「教諭」という職制の中のフラットな立場で学校の業務が進行されなければなりません。
 もう一度「主任制」の趣旨に立ち返りお互いの立ち位置を見直しましょう。

第3に管理職による職場の適正な管理を取り戻すべきであると言うことです。今回の事件でも管理職は事態を把握して加害職員に注意をしていたと記事にはあります。しかしそれが十分に機能しなかったのは管理職による職場のガバナンスが不適切または不十分であったということになります。学校には多くの問題が毎日生じておりこれに対応する管理職も多忙化している現実があります。各学校における教頭の複数配置、研修の強化などを通じて職場内の安全を図るのは教育委員会の重要な責務でもあります。

 今回のような悲劇を二度と生まないために職場の「同僚性」の再建、労働組合という組織の再生を勝ち取っていきましょう。

宮城高校教育ネットワークユニオン 事務局長