過去数年間、宮城ネットは宮城県教育委員会に対して「働き方改革の実現」について具体的要求をしてきたが、この2月議会において「R6年度当初予算案」の中に教育総務費・教育指導費・2.学力向上対策費・5.学力向上推進事業費として40,500,000円の採点事務デジタル化推進費を計上した。
これによって各県立学校に採点ソフトが導入され、各種考査・学力テスト・小テストに係る業務の省力化がはかられることになる。
働き方改革前進の小さな一歩であるが、まだまだ見落としている業務改善のタネはあるということ、そして粘り強く交渉することから実現への道が開けるということを確信出来る出来事であった。
第391回県議会参考資料「令和6年度各課別歳出予算概要」より
まず採用試験突破講座キックオフ会に参加しましょう!
採用試験突破講座キックオフ会とは新年度の採用試験に臨む学生・臨時採用教職員の皆さん向けに講座への参加登録と今後の講座のガイダンスを実施する会となります。
今回はそれに加えて教員の健全なワークライフバランスに必要不可欠な資産形成の説明会があります。まだ教員になってもいないのにと思う方もいるかも知れませんが、これからは年金だけでは十分な老後の資産形成が出来ない時代に入っていきます。そのために今回は東北労働金庫からフィナンシャルプランナーに来ていただき大事な話をさせていただきます。
あわせて労働金庫に口座を作るといろいろなお得なことがあるという話もしていただきます。是非おいで下さい。
日時:3月16日(土) 13:00~15:30
会場:宮城自治労会館 仙台市青葉区二日町7-23
学校の働き方改革で宮城ネットは県教委と交渉を行ってきました。その中で特に要求してきたことは、学校の定期考査、高校入試学力試験へのデジタル採点の導入です。
デジタル採点とは、答案用紙をスキャナーで画像に変換しディスプレイ上に細分化表示された回答欄を一括で採点していくシステムです。現時点では記号による選択問題の自動認識による点数化などが出来る機能を持っています。あらかじめ指定しておけば観点別に点数を振り分け画像上に印字が可能です。最終的に赤で○×と点数がその上に印字されて出力されます。
県教委は現在数校で導入を試行中ということでしたが、来年度から全校に導入されるというアナウンスがなされた模様です。このシステム導入による省力化への効果が高いことが試行により明らかになったと思われ、一気に導入が決定したかと推測します。
今後も皆さんの意見を参考に持続可能な学校の働き方改革に全力で取り組んでいきたいと思います。
宮城高校教育ネットワークユニオンは、連合宮城の協力をいただき、3月2日(土)に仙台市一番町で市民に向けた街頭宣伝活動を行いました。
この日は寒い風がビル街を吹き抜ける空模様となりましたが、昨日の雨も上がり多数の道行く人に日教組の緊急署名を呼びかけるチラシととともにティッシュペーパを配布しました。
連合宮城から出していただいた宣伝カーの演説台に代表の福島と事務局長の板橋が立って市民への呼びかけを行った後、仙台市議会議員のひぐちのりこさんと大沼えつこさんが弁士として運動の応援を行っていただきました。
市民からの反応も上々で、退職された女性の市民は運動に共感されその場でチラシ配布をお手伝いいただくなど多くの市民からの関心を集める結果となりました。
オンライン署名は継続中ですので是非この機会にご協力をお願いします。
過日、『河北新報』紙上で2020年に本県の女性教職員が同僚教員の「パワハラ」による被害を受けておられたということ。またその結果自ら命を絶たれたという痛ましい出来事が発生していたことが報道されました。これからの宮城県の教育を担うべき若い教職員が未来を断たれたということに深い怒りを覚えるとともに、亡くなられた被害者の魂が安かれと祈るのみです。
さて、この件について私たち宮城高校教育ネットワークユニオンとして見解を述べさせて頂きます。
第1に、辛いこと・苦しいこと・理不尽なことについては決して自分の心の内にしまい込んだり自分だけで解決しようとはしないでください。ぜひ私たちに相談してください。労働組合はそのためにあります。
第2に、すべての教職員が「同僚性」を意識すべきだということです。「パワハラ」と書いたのは一般には職場の上司-部下の関係性の中で、すなわち特別権力関係の中で立場の優位性を背景とした精神的肉体的な苦痛を与えることだと理解しています。管理職による不当な暴言などがこれに当たると言えるでしょう。しかし今回のような教諭同士という身分的には同質な関係性の中で、たとえ「主任」とか「部長」といったような肩書きが付いていたとしても基本的には何かを命じたり服従を要求する立場にはないということです。「主任」は単に連絡や調整を行う役目に過ぎません。
学年や分掌に所属する教職員は「部長」・「主任」から命令を受ける立場にはありません。逆に「部長」・「主任」は所属の教職員に職務に関する命令を出す立場にはないのです。すべて「教諭」という職制の中のフラットな立場で学校の業務が進行されなければなりません。
もう一度「主任制」の趣旨に立ち返りお互いの立ち位置を見直しましょう。
第3に管理職による職場の適正な管理を取り戻すべきであると言うことです。今回の事件でも管理職は事態を把握して加害職員に注意をしていたと記事にはあります。しかしそれが十分に機能しなかったのは管理職による職場のガバナンスが不適切または不十分であったということになります。学校には多くの問題が毎日生じておりこれに対応する管理職も多忙化している現実があります。各学校における教頭の複数配置、研修の強化などを通じて職場内の安全を図るのは教育委員会の重要な責務でもあります。
今回のような悲劇を二度と生まないために職場の「同僚性」の再建、労働組合という組織の再生を勝ち取っていきましょう。
宮城高校教育ネットワークユニオン 事務局長
宮城高校教育ネットワークユニオンは、この間「教職員の働き方改革」に関わって宮城県教育委員会に様々な改善の申し入れを行い成果を上げてきました。県教委は、今年3月に「教職員の働き方改革に関する取組方針」を出してこの間の取り組みの方針を整理しました。
今年も要望書を提出し、去る10月6日に教職員課と交渉を行いました。その結果有益な回答がありましたのでご紹介します。
宮城ネットの要望に応え、「教職員の働き方改革に関する取組方針」の中で触れられた項目に「自動採点システムの導入」というものがあります。各学校では先進的に導入しているところもあるかも知れません。
これに関して今回は「自動採点システムの導入状況はどれくらいであったか。またこれに向けた予算措置等はなされるのか。」という質問をいたしました。これに対して高校教育課の方からは、「現在試行を行っている学校が複数ある。将来的には全校に予算措置をして導入していく予定である。」という回答を得ました。
この回答に対して宮城ネットからは「現場教職員の要望意見を十分に取り入れて導入して欲しい」と重ねて要望を行いました。
採点業務のうちでも最も過酷なのが入試の採点です。入試業務に自動採点やマークシートを導入している県もあるようです。最終的には入試業務の劇的な改善を目標にこの交渉を続けていくことにいたします。
10月4日、宮城県人事委員会は宮城県知事・県議会議長に対し宮城県職員にかかわる給与の改定について以下のように勧告しました。
1.民間給与との較差3,756円(1.04%)を解消するため、給料表を令和5年4月に遡及して
引上げ改定(初任給を中心に若年層に重点を置きつつ、全ての号俸について改定)
2.期末・勤勉手当(ボーナス)を引上げ改定(0.10月分)
3.交通用具使用者(普通自動車等を使用する職員)に係る通勤手当の支給限度額を引上げ改定
これによって、給与条例が改定されれば大卒初任給の給与は11,300円、高校卒程度の初任給について12,400円、それぞれ引上げ改定が行われることになります。
また同様に、期末勤勉手当は4.40月分から4.50月分に引き上げがなされます。
昨今のガソリン価格の値上げに伴い、通勤に自家用車を使用している場合、月額支給限度額が52,500円から54,000円に引き上げられます。
この公務員給与改善は中央において公務員連絡会が人事院と交渉を行い、少なからずその影響が反映したものとなっています。私たちの賃金改善のために、宮城ネットと日教組に結集して秋季確定闘争に勝利しましょう!