僕らの給料が決まるまで・・・
僕らの給料は誰がどこで決めているんだろう?県教委が決めるのか?国会が決めるのか?文部科学省が決めるのか?
正解は宮城県の人事委員会と県議会。
県の人事委員会では県内の従業員50人以上の企業の給料を調査してその平均を出し、公務員給与との比較をして「公民格差」を算出する。もちろん働いている人の年齢層も関係してくるのでこの計算は単純ではない。(というか、書いている当人にもよくわからない。)大体6000人もいるほぼ4大卒で構成される高校現場の規模と50人以上という民間企業規模の比較が適正かどうかも怪しいところだ。(実は50人以上という基準も去年から変わったものでそれ以前は100人以上だったんだ。明らかな賃金減らしのトリックだね。)
ただし、各県の給料のレベルにそうばらつきが出ないように国家公務員の給与との比較(ラスパイレス指数)がなされる他に、国家公務員給与の人事院勧告(人勧)そのものがかなりの影響を与えていることも事実だ。
そんなわけで国家公務員の給与を押し上げることと民間給与の水準を押し上げることが僕らの給料を上げるための必須条件になってくる。民間企業の給料が「春闘」と呼ばれる時期に決まるのは知ってると思うけど、「民間のことはおいら達公務員には関係ないね。」などと寝転がっていてはいけないのもおわかりのことと思う。
さて、僕らの去年の給料の額を決める上でとても重要な「国家公務員の給与勧告」(人勧)だが、覚えているだろうか?。
○ 本年の給与勧告のポイント
① 民間給与との較差(0.35%)を埋めるため、初任給を中心に若年層に限定した俸給月額の引上げ(中高齢層は据置き)、子等に係る扶養手当の引上げ、19年度の地域手当支給割合のさかのぼり改定
② 期末・勤勉手当(ボーナス)の引上げ(0.05月分)
③ 給与構造改革の一環としての専門スタッフ職俸給表の新設
つまり、民間の方が0.35%高いので上げるけど若年層のみ増やしますがロートルは上げません、ということだ。(こういうのをメリハリ付けるって言うらしい。)
県の人勧も大概この線で出てくるわけだ。だが、国家公務員にはもはや教育職というものが存在しない。みんな独立行政法人○○大学になってしまったからだ。
そこで困った各県人事委員会の集まり(全人連)は教育職用の給与表(給料のランキング表)を独自に作製することにした。県の人勧での教育職給与表はこんなふうにして決まってくるのである。
もちろんこういった決定の節々で、公務員の労働組合が関与をしている。「公務公共サービス労働組合協議会」というのがそれで、最大組織の自治労に次いで我が日教組も加盟している。その中にある公務員連絡会という組織が賃金面での共闘組織というわけだ。
よく、自分はお金のために教員をしているのではないという人を見る。こういう物言いは一見格好良いが、僕の考えは違う。自分の教育実践に見合った報酬を要求できないならば、それはそれなりの内容でしかないんじゃないか。「専門職」であり労働者である僕たちの組合は中世的ギルドと近代的労働組合の融合である、そんな気がしている。